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-2010.9.13-

 老後の資金運用のツボ

 

高齢化が進み、年金制度に対する不信感が高まっている日本。

年金だけでは頼りないから、老後資金をできる限り増やしたいと考える人は多いはず。しかし、退職後に元本割れリスクが大きい資産で運用するのは不安です。 幸せな老後の暮らしを実現させるため、どんな方法で老後資金を運用すればいいのでしょうか。

 

[時期や用途に応じて分散させる]

60代→安全資産で運用

70代→リスク資産に一部振り向ける

別途管理→子供の結婚や出産など出費が大きいイベント向の資金を確保使う時期や用途に応じ、複数のポケットを用意した方がよいでしょう。

 

 では、具体的にどんな商品で運用すればよいのでしょう?

老後資金向けの主力商品は個人年金保険です。

基本は保険料の払込期間が終わると、年金支給が始まります。

生存中は生涯にわたって年金をもらえる終身保険や、受取期間が生死にかかわらず一定期間に限られる商品など種類も多いです。

年金の受け取り方法も定額タイプや金額が除々に増える逓増タイプ、当初は手厚いタイプなど、各保険会社が利用ニーズに応じて商品を充実させています。年金保険には、あらかじめ受取額が確定している定額年金と、運用成績で受取額が変わる変額年金があり、銀行窓口でも契約できる。変額年金では、最低保証額が設定されている商品が人気のようです。

 

 年金保険以外の運用方法もあります。

例えば、住友信託では年金型定期預金を扱っています。

預入額の半分は満期まで保有し、残る半分は3カ月ごとに一定額を引き出せる仕組みになっています。これは、普通預金よりも金利が高く、当初の金利を維持したままで資金の引出しもできる利点があります。投資信託も年金の補てんに利用できます。毎月分配型の投資信託が「売却のタイミングを考えなくても、毎月安定的な収入を得られる」と最近人気でしたが、実際、運用で得た利益よりも高い分配金を支払うために元本を取り崩す投信も多く、リスクの高い商品もあります。そこで、一定額ずつ元本を積み増すドルコスト平均法とともに、一定額ずつ元本を取り崩す手法や、現役中に投信を一定額ずつ積み増し、定年後は一定額ずつ取り崩すといった方法に対応している口座もあります。

 

[持ち家を担保に]

老後資金は運用だけでなく、借り入れで確保する方法もあります。

金融資産は少ないが、持ち家がある場合、銀行や一部の自治体などが扱うリバースモーゲージを利用することも一案です。

借入枠の残り分を預金すれば、借入金利を免除する仕組みを導入し、一度に多額の利用予定がない場合も安心です。

 

[相続優先なら集約]

相続を優先的に考える場合は別の視点が必要です。

「少しでも高い金利を求めて資産を分散させるよりも、死後に手続きしやすいように資金を集約する方が家族のためになる」と指摘する人もいます。自分が認知症や体が不自由な状態になることも想定し、預け先を書き留めておくことも重要です。各信託銀行は生前~死後の運用方法を事前に決めることができる金銭信託を取り扱っています。8月には中央三井信託がプルデンシャル生命保険の契約者を対象に、保険金を信託できる「生命保険信託」を商品化しました。信託機能を使えば、遺族が認知症の場合など遺産管理に不安があっても、使途を指定したり、受益者の死亡時に次の受益者を指定したりすることが可能です。ただし、信託は費用がかかりますので、慎重に判断する必要があります。

 

[資金に不安な方は働いて積み増しを]

若い人の運用は「目的期間までにどれだけ増やせるか」これに対し老後の運用は「手持ちの資金をどれくらい長い期間かけて取り崩していけるか」という観点で、元本を守ることが第一になります。退職時に「取り崩せる金額が少ない」と思えば、もう少し元本を増やしておきたいところです。足元の運用環境は見通しづらく、とりあえず短期間の商品で運用しておき、満期時に見直すのも一案です。リバースモーゲージは担保価値の目減りで融資額が減少したり、金利が上昇したりするリスクがあります。生活資金の源泉としてあてにするのは、危険なことです。

(日本経済新聞2010.9.6)

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